『知的社会人1年目の本の読み方』スタンダードな一冊
こんばんは。しんたです。
私は日本でも有数の読書術マニアになってきている気がします。
ここ数年で出された「読書術」に関する本はすべて読んできたつもりです。
そんな中でまたもや出版された読書本。今売れやすいのでしょうね。
結論から言うと、いたってスタンダードな内容です。
他の読書術の本を何冊かすでにお読みの方は、改めて買う内容ではないです。
まだ読書術に関する本を読んだことがない、今から読書に挑戦したい、という方はこちらの本は入門書としておすすめです。
さて、本の内容を少し見ていきましょう。
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書き込み肯定派
知識をつけるための読書を始めた当初は、2ページに一個くらいは、自分なりに重要だと思った言葉に印をつけたり、マーカーで線を引いたりしましょう。
マーカーで線を入れるメリットは、なんと言っても重要な箇所を見つけるために集中して本を読んでいくことになることです。
作者は書き込み肯定派です。読書家で有名な佐藤優さんや、池上彰さんなんかも書き込み肯定派ですね。
ちなみに私は書き込み否定派です。
理由は単純明快、読み終わったら中古本として売るためです(笑)
お金と保管場所がないので、なくなく売っていますが、売らなくていいのであれば私もバンバン書き込むはずです。
世の中所詮金なのね・・・
ちなみに私の読書法は、淡々と最初から最後まで読み、気になった個所はエバーノートにメモ、さらにブログにまとめることで記憶に残すといったやり方です。
ただ、本書に書いてあった以下の内容もなかなか有用そうなので、トライしてみます。
読書ノート
重要なところの要約文とそのことが書かれているページ数を書いておく!
本の中の重要だと思う個所を要約として書き出し、ノートにメモする。それだけです。
私も昔は、一文をすべて書き出していたのですが、それよりも要約で短く書いたほうが、記憶に残りそうですね。図とか絵なんかも使って。
作者の読書ノートの様子は、本書の中に掲載されていますよ。
第5章研究者的知識の深掘り術入門は有用
読書をプチ卒業論文ととらえて問題設定してみよう
自分が気になるスキル、出来事、人、書物、時代、物をあぶり出すことで、問題やテーマ設定が始まります。
次に、抽象的で大きな問題を設定してみます。
たとえば、今年は2017年だけど、100年前の1917年の人たちは、どんな暮らしをしていたのか?どんな考え方をしていたのか?
作者は大学准教授。つまり研究者。
研究者がどのようにして問題設定を行い、それを独自の論を交えて研究を進めていくのかは、物珍しさがありました。
第5章だけ目を通してみてください。
『自分だけの「ポジション」の築き方』独特の世界観に浸る!
おはようございます。しんたです。
今日は朝から雨。ある意味集中して読書ができそうです。
ただ、桜は散ってしまいそうですね。
明日は秋葉原に行く用事があるので、そのついでに上野公園のお花見、再トライしようかな。桜がすべて散ってしまう前に。
さて、今回ご紹介するのは 『自分だけの「ポジション」の築き方』。
かなり作者の世界観が独特で、「タイトルと本の内容がずれているような?」
と思うこともありましたが、それが気にならないぐらい面白い文章でした。
作者はとにかく競馬が大好き。
競馬の評論家を究めることで、「自分だけのポジション」を築いたわけです。
競馬愛が強すぎて、「この本は競馬本だっけ?」となることも多々ありますが(笑)、とにかく作者の考え、文章の書き方が面白い。
おそらく「起業したいから具体的な情報がほしい」人にはこの本は向いていないでしょう。
私の場合は「こんな生き方があるんだ」と感銘を受け、「人生やっぱり好きなことしないとね」と感じたりしたものです。
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まず行動
まず、行動というのは本当のことだ。
それが自分の夢に関する一歩であれば、そしてマイナスになるようなことでさえなければ、躊躇なく踏み出してみるのがいい。
この作者は自分なりの競馬本を出版したくて、出版社約100社に企画書を送付しています。
それぐらい熱い想いを持って行動すれば、必ず成果は出るものです。
実はアイデアに完成度を求めているケースは意外と少なく、企画が実現するか否かは、発想と勢いとタイミングだけだと、僕は感じている。
なるほど。アイデアは作りかけでもいいから、とりあえず勢いで企画してしまえばいいのか。
文章の勉強なんて後回しでいい。そんな暇があったら、自分が表現したい対象をひたすら勉強し、練習を重ね、研鑽を積み、場数を踏むのだ。
わかりました!しんたの場合はとにかく読書を重ね、日々記事を更新することです。頑張ります!
株式投資と似ている!
自分のお気に入りの馬テレグノシス、この、いわゆる追いかけている馬を、年に二回しか買わなかったことだ。
そして、他のレースへの出走時は、検討すらせず、平然と無視していたことだった。
作者のこの感覚、私は株と似ていると感じました。
私の投資法も、お気に入りの銘柄を見つけ、淡々と買い時が来るまで待ち、買ったらあとは淡々と売り時を待つというもの。
まさか競馬と株が似たものだなんて、という驚きを得ました。
上記のような形で、かなり競馬の話が出てくるのですが、競馬が意外と自分の人生の様々なことに置き換えられ、面白く読み進められました。
不思議な本ですが、勇気をもらえた1冊です。
『採用基準』作者の考えの深さに感銘を受けました。
- 作者: 伊賀泰代
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/11/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 24人 クリック: 392回
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おはようございます。しんたです。
最近は例によって転職活動に追われ、ゆっくりと読書ができていませんが、そんな中でもとても勉強になった本があったので、ご紹介します。
転職活動中の身であること、そして、応募している職種が人事の採用担当ということで、この本には採用のポイントなどが書いてあるのかな?と思い、期待して読み始めましたが、いい意味で裏切られた結果となりました。
結論から申し上げますと、この本はリーダーシップについて書かれた本です。
作者はマッキンゼーでマネージャーを務められていた伊賀泰代さん 。
文章の節々から、相当頭の言い方でいらっしゃるのがわかりましたし、文章の構成のしかたも非常にうまいなと感心しました。
かなり多くの部分を書き出してメモを取ったのですが、その中でも特に印象に残った部分をご紹介します。
グローバル化
グローバル化を進めることは、日本の価値観や文化を軽視することではありません。むしろ反対に、世界とつながることでそれらが見直されることはよくあることです。
よく、「グローバル化することによって日本の文化が失われ、欧米化する」というようなことが言われますが、作者は疑問を投げかけています。
「むしろグローバル化することによって、世界の中の日本の位置づけがわかり、日本の文化が見直されるのではないか?」
そんな意見を作者は述べており、これには思わず「なるほど」と思いました。
コンサルタント
コンサルタントは、ベルトコンベアで運ばれてきた経営課題を、修理してまたベルトコンベアに乗せるような仕事ではありません。解くべき課題は誰かが目の前に運んできてくれるのではなく、自分が経営者の方に信頼されて、初めて打ち明けてもらえるものなのです。
これもコンサルタントに対しての私の概念が変わった一節でした。
コンサルタントには自動的に山のように情報が集まると思っていましたが、そうではなく、「経営者に信頼されてやっと集まるもの」らしいのです。
確かに信頼もしてない人に、会社の重要な情報を簡単に言ってしまう経営者はいませんよね。
もしそんな経営者がいたら、あっという間に詐欺に引っかかってしまいます。
面接時に見られている思考力とは、MECEやロジックツリーなど思考スキルを使いこなせているかどうかではなく、候補者の考える意欲とと考える体力でもあるのです。
コンサルタントに真に求められている力は、考える意欲と体力というのも、改めて言われると驚きでした。
いろいろな問題解決スキルはもちろん必要なのはわかっていましたが、それを使って粘り強く、時には1日中「考え続ける」ことができるか。
そもそも「考える」ことは好きか。
という点は、コンサルタントにおいて大変重要な資質であるようです。
私の場合、好きなことであれば1日中考えていても苦にならないのですが、それはあくまで自分の範囲内で自由に考えているからです。
もし大きなクライアントを抱え、自分の知らない業界についての問題解決を求められたら、私はひとたまりもないでしょう。
リーダーシップ
リーダーシップのない人に成果目標を与えると、その人は結果を出すために無謀な方法に頼ります。
作者が言うリーダーシップは、日本で一般的に考えられているリーダーシップとは異なります。
作者は「リーダーシップはチームの長だけが持つものではなく、1人1人が持たなければならないもの」としています。
引用部分では成果目標について書かれていますが、仮にリーダーシップのない人に「売上を伸ばす」という目標を与えたとすると、本来はリーダーシップを発揮して「なぜ今まで売り上げが低迷しているのか」「どうやったらお客さんに喜んでもらえる商品が作れるか」といったところに焦点を当てて、仲間と一緒に戦略を練っていく必要があります。
しかし、リーダーシップのない人は「1人当たりの労働時間を延ばす」「コストを削減するために電気をこまめに消す」といった、ずれた行動をとってしまうのです。
リーダーとは成果目標を達成するために組織を率いる人です。成果目標に関しては妥協してもいいので、関係者全員に角が立たないようにするのは、リーダーシップではないのです。
リーダーというのは先頭を走る人であって、後ろに控えている人ではないのです。先頭を走る人が、一番前で最初に方向性を決めてこそ、メンバーは安心して走ることができるのです。
自分自身の結論をもつ癖をつけることが、リーダーの仕事である決断することの、実地訓練となるのです。
など、リーダーシップに関する作者独自の視点には目を見張るものがありました。
本当はもっと紹介したいのですが、長くなってきたためこのあたりで終わります。
リーダーシップに興味のある方にはとてもおすすめな一冊です。
ちなみに作者の伊賀さん、最近ではこの本も出していますね。
もちろん私も買いました。